過去のFX相場をさかのぼる!

過去のFX相場を振り返る〜2008年〜

2008年は2007年に引き続き市場は米国を発端とするサブプライムローンに振り回される結果となった。
米国のサブプライムローンは各国金融機関に販売されており、その損失額が限定されないことから、世界各国の主要金融機関同士の信用収縮につながり、世界の金融不全状態を強めている。
ヘッジファンドを中心とした投機筋がポジションを一気に解消しようとする動きを強めたことで、低金利円調達、高金利外貨運用を中心としたリスクマネーの解消が進み、夏場以降の急激な円高につながっている。

 

また、7月に147ドル台の高値を見せた原油価格は投機筋の投売りに急激な下落となっており、先週には50ドルを割り込み、高値の3分の1まで下落している。資源価格は世界的な景気後退局面入りに原油同様に下げ足を早めており、強インフレ経済から一気にディスインフレ状態への急激な変化と共に来年に向けて欧米を中心としてデフレ経済入りの可能性も出ている。

 

問題は金融機関を中心とした信用収縮であり、金融機関同士の相互不信が世界のリスクマネーを急激に収縮させた年といえる。
以前はそれだけデリバティブなどの金融商品を過信してリスクを膨らませていた状態が続いていたことは確かである。
金融の収縮はここしばらく継続すると思われるが、2005年以降の世界的なインフレ傾向の高まりはそれ以前の日本を中心としたデフレによる低金利資金が世界を席巻したことによって起きた現象と言え、主要各国が現在の低金利を継続する可能性は低いと思われる。

 

主要各国の金利水準は今年の夏場以降、急激な低下を見せており、この半年間で欧州は1.75%、豪州、英国が3%の利下げに踏み切っており、以前の政策金利の動きからするとかなり異常事態を言える。市場の多くは欧州、豪州、英国などについて更なる利下げを行う可能性を市場に織り込もうとしており、この期待がユーロ、ポンド、豪ドルなどの戻りを鈍くしている原因と思われる。
年末に向けてもう一段のポジション調整の動きが強まる可能性があるものの、来年に向けて主要各国の利下げに打ち止め感が出ることがあれば、ユーロやポンド、豪ドルを買い戻す動きにつながる可能性が高いと思われる。

 

米国の経済については来年に更なる下押しの可能性を否定できないものの、夏場以降の動きはクロス円を中心とした円買いの動きであり、結果として年初より楽観論の強かったユーロやポンドなどに対してドルを一気に買い戻す動きとなった。
年末は最後のポジション調整が強まる可能性はあるものの、来年にかけて改めてユーロやポンド、豪ドルを見直す動きが強まる可能性が高いように見える。
その意味では年末に向けてクロス円での押し目は今後の相場展開の中で買い場である可能性も捨て切れない。
ここしばらくは円買いポジションについてかなり注意するべき時期に来ていると思われる。

ランド円

主要各国が利下げ幅を広げる中で未だに12%の高金利を続ける南アランドだが、高金利は南アフリカの経済力・国力に対するプレミアムであり、それだけ通貨の信用力が落ちる証拠でもある。
8月以来、市場の流動性が極端に細る状態が続いており、安易なポジションは避けたいところだが、テクニカルのみを考えた場合、持ち合いもそろそろ最終局面に近づいている可能性が高いといえる。

 

さて方向性だが、南アフリカのデフォルトリスクは依然として主要各国に比べて高く、ランド債のCDSは500近辺で推移している。
一時は450を越えて上昇していたが、米国が68、日本が50と比べると依然として高く、ランド買いについてあまり楽観的にはなれない。
但し、純粋にテクニカル面から見ると三角持合の頂点に近づいており、上抜けの可能性も否定できない。
日足で見ると雲下限が9.70近辺で推移しており、10.80近辺までの厚い雲が続いている。
教科書的には支持線との平行線まで上昇の可能性があり、雲を上抜けることが出来れば11.40近辺迄の上昇の可能性もある。
8.70をクリアに割り込むと更に下落の可能性もあるが、ストップロスをしっかり入れてのランドロングは短期的には面白いかもしれない。

ポンド円

日足ベースでみると先週後半は相場の勢いが失速し、一日の値幅が約2円程度に落ち着いている。
ハト派のブランチフラワー委員からは「もっと早く利下げをすべきだった」との発言もあり、148円以降が重く感じられつつあるが、すでに今週の利下げは織り込んでおり、利下げ幅や今後の姿勢が注目されている。
下値では144台半ばが堅くなっていることや、週足では2週続けて陽線引けとなったため、改めて148円のレジスタンス付近を試す可能性もある。

 

先週25日の高値148.65付近を明確に上抜けることができれば、心理的節目となる150.00、一目基準線の151台前半を試すことになるだろう。
下値では144を割り込むと、一目転換線の143.20付近や先週の安値140.95付近が視野に入ってくる。
上下どちらかかブレークした方向に振れやすい展開となるが、それまではイベントを控えているため、様子見の姿勢が強いと思われる。

豪ドル円

先週の初めは63.65付近で頭を抑えられたが、日毎に下値を切り上げてきており、改めて戻り上値を試す地合いが継続しているとも読み取れる。
株価の動き次第では、リスク回避の「円買い」により下落リスクを抱えているが、短期的な視点から一目均衡表の時間足ベースでみると雲の上に戻り、5日線が 25日線を下から上抜けたこと、更にボーナス期を迎え新発外債の売り出しが予定されていることも、実績次第ではあるが、サポート要因として考えられる。
2日に発表が予定されている金融政策や今後の当局の姿勢次第ではあるが、週初は買い回転を基本に臨んでみたい。

ユーロ円

対ドルではユーロの下落は限定的な中で対円ではユーロもその他の通貨同様の下落を見せている。
短期的には下落途中での持ち合いを形成している可能性も否定できない。
短期的なレジスタンスは現時点で122.50近辺にあり、このレベルを上抜くと130円近くまでの上昇の可能性が高くなる。
またサポートについては10/27の113.62安値となりそうで113円を割り込むと2000年の88.93と7月の169.97の75%戻しである109円台中盤を試す展開となるのではないか。

ユーロドル

月足雲上限が1.25台前半にあることもあってか下げ渋りとなっている。
日足でのもみ合いも1か月近くたつことから、そろそろどちらかにブレークする可能性が高まっているのではないか。
方向性は出遅れ感の調整として下値方向と思っているが、7月以降の下落も厳しく調整的な動きも否定できない。
いずれにせよ1.2720-1.2400を抜けた段階で相場について行くのが好いのではないか。

ドルインデックス

本年7月以降の急激なドル買い戻しにより、ドルインデックスも71台から88台までの急上昇となっている。
ドル来年以降ドルに対する懸念が再度広がる可能性が強いと思われるが、短期的にはドルの急激な上昇であり過熱感があるようにも見える。
年内は2005年の高値である 92.33程度までの上昇は見込んでおくべきかもしれない。

ポンド円

英中銀四半期インフレ報告の内容は事前予想よりもかなりハト派的なものとなった。
キング総裁は「必要に応じて追加利下げの用意がある」とコメントし、マーケットでは来年上半期までに1.00%程度まで政策金利は低下するとの見方も出てきた。
金融不安に加え、世界的に景気後退が表面化していることから当局の対応は通常よりも迅速に行われており、急激に大きな下落幅を記録したポンド円は、リバウンドの機会を窺っていた。

 

10月24日に138円台まで下落後、30日には165円付近まで反発し、その後は株価の下落と共に先週13日に改めて138円台後半の安値を付ける動きとなったが、仮に2番底形成を達成したならば下方向へのリスクは軽減し、再度戻りを試す可能性が高まってくる。
センタンスBOE委員からは、「当面は弱い指標の発表が続くだろう」との発言があったが、足元の指標結果に対して将来的な明るい材料が示されれば相場反転のひとつのきっかけとなるだろう。

 

一方で、対ユーロで見ると先週末の二日間で500ポイント以上ポンド安に動いており、金利差によるポンド売り基調は継続するとの見方もある。
138.80の水準を割り込んだ場合は更に下落幅を広げてくるリスクは高まってくるため、ポンド円の動きを予測するにあたり、対ドルや対ユーロの動向にも注意を払っておきたい。